書評

『鋼の自己肯定感』宮崎直子(かんき出版)

~自分を自分の「大親友」とすることの重要性

ビジネス法務コーディネーター®の大森靖之です。
日頃は、ビジネス契約書専門(特にIT系に強い)の行政書士として、中小・ベンチャー企業様の成長発展のお手伝いをさせていただく傍ら、埼玉県川口市にあるコミュニティFM局、FM Kawaguchiにて『ちょいワルMonday』という番組(毎月第2、第4月曜日19:00~生放送)の構成作家兼パーソナリティとしての活動もさせていただいております。

こちらの本のご紹介です。

きっかけはTwitter。タイムラインにこの本の紹介が流れてきて、ピンときてその場ですぐポチ。
最近、この本のタイトルにある「自己肯定感」という言葉、色んなところで見かけます。
読んで見た結果、目から鱗の話ばかりだったので、当ブログの読者の皆さんに内容を少しだけシェアします。

著者の宮崎直子さんのご経歴がまず凄い。

シリコンバレー在住&在勤歴22年
【中略】
津田塾大学英文学科卒業後、イリノイ大学で日本語教授法や言語学を学んで修士号を取得。
日本で米国のコンピュータ関連会社に勤めた後、再び渡米。IT企業でマーケティング職に携わる。ソフトウェア、アパレル会社などを起業。法律事務所勤務、プロの通訳、翻訳者としての経歴も持つ。
【以下略】

『鋼の自己肯定感』宮﨑直子(かんき出版)表紙より

日本とアメリカの両方の文化を実地で体験されている方。
シリコンバレーというと、朝から晩まで働きづめを想像していたのですが、実際は違うようです。

シリコンバレーでは男性も積極的に子育てに関わる。…【中略】…全員ではないけれど一般にエリートであればあるほど、成功していればいるほど、家族との時間を大切にしている。

『鋼の自己肯定感』宮﨑直子(かんき出版)p.38

「仕事」と「プライベート」それぞれの時間をこれをハッキリと分けて、プライベートの時間は家族や友人とゆっくりと過ごす。そうすることで、短い労働時間でも圧倒的な結果を出していく、こういう働き方をしているようなのです。
確かに、「時間をかければ成果が上がる」仕事ではない分、日々のエクササイズを欠かさないなど、クリエイティブな仕事ぶりのパフォーマンスを維持するにはどうしたら良いのかを常に考えて行動しているようです。
こういうところ、見習わないとなー。

それはさておき、本書の主題である「自己肯定感」については、次のように定義されています。

この「何もできない」赤ちゃんに対して親や祖父母が無条件で抱く感情、その感情を自分に対して抱くのが、本書で定義する自己肯定感だ。

『鋼の自己肯定感』宮﨑直子(かんき出版)p.58

この本で一番目から鱗だったのが、人生で一番身近にいて、一番長く時を過ごすのは、他ならぬ「自分自身」なのだから、ありのままの自分を認め、受け入れ、愛することができれば、生きるのが楽しく楽になるといったくだり。これは確かにそうですよね。とはいえ、私などもそうなのですが、ネガティブな事象が生じてしまうと、どうしても自分のダメな部分に目がいってしまい、自分で自分を痛めつける、そんな状況に陥りがちです。

そんな時には、こちらの言葉を思い出せば勇気が出てきそう。

鋼の自己肯定感を持つには、全く新しい人生観が必要となる。これまで身を置いてきた競争社会は卒業し、共創社会に移住することだ。共創社会派、私人の金子みすゞさんの言葉を借りれば「みんなちがって、みんないい」社会。そこには優劣はない。人生の目的は、人より優れた人生を手に入れることではなく、一人一人が本来持っている能力を最大限に発揮し、自分のため、他人のために役立て、共により素晴らしい社会を創造していくことである。

『鋼の自己肯定感』宮﨑直子(かんき出版)p.92

競争社会では、すべての物事を「他人との比較」で判断してしまいがち。
隣の芝生は青い…ではないですが、長期スパンで考えれば、目の前のちっちゃなことで、つまらないマウントを取り合って、優越感を味わったり、逆に劣等感にさいなまれたりすることが結構あるわけです。
そういったこと自体「つまらないこと」とハッキリと悟らせてくれる本です。

これからの時代は、競争ではなく「共創」の時代であり、その「共創」にあたっては個性が相当な付加価値になります。
そこで、本書で言うところの自己肯定感。
ありのままの自分を認め、受け入れ、愛する。言い換えれば「自分自身を唯一無二の親友にする」この考え方ってとても大事だな、と改めて思い起こさせる一冊でした。

「自己肯定感」という語感だけをもって、自分はきっと高いはずだ!と思い込んでいたのですが、実はそうでもないということが分かっただけでも、読んだ価値がありました。
著者の輝かしい経歴からすると、難しい表現が並んでいるのかなーとおもいきや、実に読みやすい文体。スラスラ読めます。

●ラジオ番組で紹介させていただきました

構成作家兼パーソナリティとして携わっております
FM Kawaguchiにて『ちょいワルMonday』
2022年7月25日放送「ちょいワルオーディオブック」のコーナーにてこちらの本を取り上げました。こちらにつきましても、ぜひご覧ください!

最後まで、お読みくださりありがとうございました。

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