ビジネス契約書専門の行政書士(特にIT&クリエイター系の契約書に強い)
ビジネス法務コーディネーター®の大森靖之です。
目次
- 1. はじめに
- 2. 「売れるデザインって言われるんですけど、契約書も同じですか?」
- 3. 「儲かる契約書」はキャッシュインとキャッシュアウトの設計書
- 4. 契約書は経営ツールである
- 5. おわりに:儲かる契約書で、ビジネスはもっと強くなる
1. はじめに
私が開業して、初めてお金をいただいた仕事。
それは、デザイナーの方から依頼された業務委託契約書(受託側)の作成でした。
右も左もわからない中、依頼をもらえたこと自体がありがたく、ドキドキしながら打ち合わせに臨んだのを今でも覚えています。
そして、その場で投げかけられた、ある一言が今の私の考え方の原点になっています。
2. 「売れるデザインって言われるんですけど、契約書も同じですか?」
その方はこう言いました。
「我々の業界では『売れるデザインを考えてくれ』ってよく言われるんですよ。
契約書でも、同じことが言えるんですか?」
まるで禅問答のような問いでした。
最初は戸惑いましたが、これが後に私にとって非常に重要なテーマになります。
「売れる契約書=儲かる契約書とは何か?」という問いです。
3. 「儲かる契約書」はキャッシュインとキャッシュアウトの設計書
私がたどり着いた結論はシンプルでした。
儲かる契約書とは、キャッシュイン(収入)とキャッシュアウト(支出)の仕組みが明確に設計されている契約書のこと。
契約書は法律文書である前に、「お金の流れをコントロールするツール」でもあります。
そして、その設計次第で利益が変わる。つまり「儲け」そのものに直結するのです。
①キャッシュインを明確にする:報酬・支払条件の設計
まず重要なのが、お金を受け取る条件=キャッシュインの設計です。
- 報酬額はいくらか
- 支払期日はいつか
- 前払いか、分割払いか、納品後払いか
- 成果物の基準は何か(=検収基準)
これらが曖昧なまま契約書を交わすと、**「納品したのに支払ってもらえない」**というトラブルに発展しかねません。
契約書の段階で、誰が読んでも明確な「お金の入り方」を定義しておく。
これが、儲かる契約書の第一歩です。
②キャッシュアウトの上限を明確にする:契約不適合責任・損害賠償
次に重要なのが、万が一の支出=キャッシュアウトのリスク設計です。
- 契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)の期間と範囲
- 損害賠償の責任上限(例:報酬総額を上限とする)
- 間接損害や逸失利益に対する免責条項
このように、万が一トラブルが起きた場合の「最大損失」をコントロールしておくことは、利益を守るために極めて重要です。
契約書によって「ここまでしか責任を負いません」という線を引くことで、予測できない出費=キャッシュアウトのリスクを最小限に抑えることができます。

4. 契約書は経営ツールである
「売れるデザインって言われるけど、契約書にもそういうのってあるんですか?」
開業してすぐのあの一言。
正直、あの時は明確な答えが出せませんでした。
でも今なら言えます。
はい、契約書にも「儲かる契約書」はあります。
5. おわりに:儲かる契約書で、ビジネスはもっと強くなる
契約書というと、どうしても「揉めないための保険」と思われがちです。
しかし実際は、それだけではありません。
報酬の設計、リスクの管理。
そのすべてを通じて、ビジネスを前に進めることができる。
契約書は、経営のための戦略ツールなのです。
デザインが売上に貢献するように、
契約書も利益に貢献できる。
これからも、そんな契約書をつくり続けていきたいと思います。
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