ビジネス法務コーディネーター®大森靖之です。
日頃は、ビジネス契約書専門(特にIT系に強い)の行政書士として、中小・ベンチャー企業様の成長発展のお手伝いをしております。
2022年8月4日(木)、5日(金)の両日、埼玉県産業振興公社様主催の「契約書の基礎とポイント研修」の講師をつとめました。
【契約書の基礎とポイント研修】
https://www.saitama-j.or.jp/kensyu/22kke/
こちらの講座、おかげさまで、埼玉県産業振興公社様より、2016年~講師のご指名をいただいておりますので、今回で7回目です。「ロングセラー」になりつつあります。
主に、若手~中堅の総務・経理・営業事務担当者向けのコンテンツとなっておりますが、代表者~経営幹部~営業パーソンまで多くの方に参加いただいております。
このコンテンツ。
「契約書に対してめちゃくちゃ興味があって、楽しみで仕方ない」という受講生の方はほぼ皆無(商工会議所等で講師を担当させていただくオープン参加のセミナーでは、意外にもこういう方が多いのです)。
上司や人事の担当者から「契約書は大事。仕事にとても関係あるから、勉強してきなさい」と言われ、「イヤイヤ参加させられている」パターンの受講生の方が多いという特徴があります。
講師側の立場とすれば、いわば「アウェイ」の状況の中での講義となります。
受講生の方のネガティブな気持ちに配慮せず、淡々と講義を進めることもできるのですが、私としてはそれがとても嫌なので、
・どうすれば、6時間の講義中、興味を持ち続けていただけるか(眠気をもよおさないような構成)
・どうすれば、契約書に親しみをもっていただけるか(具体的事例をたくさん)
・どうすれば、翌日から学んだ知識を職場で実践していただけるか(知識ではなく「行動」をお教えする)
…etc
について、受講生の方に伺ってみたり、ネガティブなアンケート結果に対して真摯に向き合ったりするのと同時に、毎年、埼玉県産業振興公社のご担当者とも適宜コミュニケーションをとり、年々バージョンアップさせてきています。
毎年、トライ&エラーを繰り返していますと、
「イヤイヤ参加」→「契約書大事。明日から会社で前向きに取り組んでみよう!」
という「ツボ」が少しずつ分かってきます。
その「ツボ」を押し続けると、最初は「イヤイヤ」がハッキリと顔に出ていた受講生の方が、だんだんと目の色が変わって来る姿を見るのが、講師として、とてもやりがいを感じる研修でもあります。
「ツボ」について、ここでざっくりと言語化しておくとすれば、
「行動」にフォーカスする
ということになろうかと思います。
企業において、契約書は、「契約を取る」という言葉があるように、営業活動(商談)あるいは資材調達などとった「行動」の中にあります。
ですので、各種契約書の第1条(目的)から順を追って逐条で説明していくというのではなく、「行動」と絡めてご説明する、例えば、
「契約を取ってきたお客様が、商品のちょっとしたキズをきっかけとして、モンスタークレーマー化した場合を考えてみましょう。その時に、契約不適合のところの条件をガッチリ固めておけば円満解決とはいかないまでも、落としどころは事前にハッキリしているわけです。さらに、解除のところの条件を工夫しておくことによって、若干の持ち出しは発生してしまうかもしれませんが、ダラダラと付き合い続けるより、スパッと切ってしまったほうが良いケースもあるのではないですか?」
こんな感じで進行していった方が、腹落ちしていただけるようです。あくまで例えばですが。
本研修も、3年前からオンラインに切り替わりました。
以前は、会場開催で1日6時間ぶっ通し講義だったのですが、
・オンラインだと疲れる
・契約書という「難しい」コンテンツでは、1日で詰め込みすぎると消化不良になってしまうのでは?
といった理由から、1日3時間✕2で実施させていただいております。
当然ながら、オンラインのメリットもあって、講師目線では、壇上から「上から目線で」話すよりも、画面越しで話す方が、受講生の方々と「同じ目線」となりますので、より親近感がわきます(私だけかもしれませんが)。
オンライン研修の時には、日頃の「ラジオ活動」での経験を活かして!?
「オンラインですので、私は壇上からの講師ではなく、皆さんと同じ目線の『パーソナリティ』としてこれからお話を進めていきます。チャットでドシドシお便りをください!」
「契約書に関することは、中学や高校で習ったりしません。ですので、ご参加の皆さんのキャリアの差こそあれ、それほど知識の差はありません。ご自身の疑問は他の方も疑問に思ってるはずなので、恥ずかしがらず、人助けだと思ってドシドシ質問してください!」
みたいなことをお話しするようにしています。
会場開催の場合、受講生の方々からすれば「みんなの」前で手を挙げて質問するのは非常にハードルが高いです。すべてのプログラムが終了した後に「ちょっとお聞きしたいのですが…」といったパターンが多いです。
一方、オンラインですと、チャットを使えば、ハードルは低いですから、その場でドンドン質問がきます。
チャットでの質問→回答を繰り返していきますと、講師側としては会場開催よりも受講生の方々を身近に感じますし、受講生の方々にとっても、他の受講生の方の「具体的な悩み」に基づいて自分事に落とし込めるからか、腹落ち感が高まることが、アンケート結果に如実にあらわれてきます。
講師仲間との雑談の中で「会場(リアル)じゃないと伝わらない、やりにくい」といった声もあります。
確かに、会場(リアル)の方が受講生の方々の反応がリアルタイムで分かるので「伝わってる感」はあるのですが、とはいえ、受講生の方々がどれだけ腹落ちするかの方が大事ですので、講師側で色々と工夫していかないといけないことだと思っています(私自身、まだまだ発展途上ですが)。
ありがたいことに、秋以降も様々なところで講師をさせていただくこととなっております。
あわせてこちらもご参照いただければ幸いです。
埼玉県産業振興公社様では、今回の「契約書の基礎とポイント研修」の続編の「契約書活用実践研修」の講師を9/28(水)、9/29(木)の両日、つとめさせていただきます。
基本的には「セットで」受講していただくのが効果が高いのですが、続編の「契約書活用実践研修」だけでも十分に契約書実務の全体像が分かるようになっておりますので、興味のある読者の皆さん、以下のリンクをご参照ください。
オープン参加となっておりますので、読者の皆さんのご参加お待ちしております!
過去には、他県よりわざわざ新幹線を使ってご参加いただいた方も数名いらっしゃいました。有難いです。
https://sipc-m.jp/seminar/info.php?id=345
【ご連絡先】
契約書を活用してビジネス上の武器としていくためには「体系的な契約知識」への理解が必要です。この「契約知識」は義務教育はもとより、高校や大学・専門学校でも学ぶことはありません。
「契約法」を学ぶ場はありますが、現場ですぐに使える「契約知識」まで落とし込まれたコンテンツはあまりないのが実情です。
●商工会議所等の公的機関のご担当者様
●企業の研修のご担当者様(オリジナルの契約書作成~従業員様向け研修まで一括で可能です)
●学校や教育機関のご担当者様(※「クリエイター」を養成する専門学校など、卒業生が「自営業者」となることが多いケースでは、契約知識のカリキュラムがあることで、特色を出すことが可能かと思われます)
講師のほか、セミナーコンテンツの企画のみでも承ります。
以下まで、お気軽にご連絡いただければ幸いです。
【行政書士大森法務事務所】
home@omoripartners.com
048-814-1241
最後まで、お読みくださりありがとうございました。
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