契約書

契約書って、です・ます調でよい?縦書きじゃないとダメなの??【2026年版】

※本記事は、実務でのご相談内容や契約実務の変化を踏まえ、
 2025年12月に加筆修正した【2026年版】です。

ビジネス契約書専門の行政書士(特にIT&クリエイター系の契約書に強い)
ビジネス法務コーディネーター®の大森靖之です。

目次


1.契約書は「だ・である」じゃないとダメ?縦書きがマナー?

契約書の書き方について、

  • 常体(だ・である)で書くべきか
  • 敬体(です・ます)で書いてもよいのか
  • 縦書きでないと失礼なのか
  • 横書きだと効力が弱くなるのか

といった、文体や書式に関するご質問をいただくことがあります。

とくに、はじめて契約書を作る方や、
「これまで雛形をそのまま使ってきた」という方ほど、
「正解があるのでは?」と不安になりやすいテーマです。


2.文体も書式も「どれを選んでもOK」

結論を先に申し上げれば、「常体」「敬体」「縦書き」「横書き」
どれも正解!です。

こちらは「契約自由の原則」という大原則があるためです。
ここで改めて確認します。

契約自由の原則
個人の契約関係は、契約当事者の自由な意思によって決定されるのであって、国家はこれに干渉せずこれを尊重しなければならないという近代私法の原則。
契約を締結するかどうかについての自由(締結の自由)、
どのような相手方と契約をするかについての自由(相手方選択の自由)、
どのような内容の契約をするかについての自由(内容の自由)、
どのような方式による契約をするかの自由(方式の自由)
がその内容であるとされる。
債権法改正案によって明文化された。

法律学小辞典(第5版)』有斐閣

上述の通り、「契約書」に対する法律のスタンスは、
公序良俗に反しない限り基本的には自由!なのです(一部例外はありますが)。

つまり、

  • 常体でもOK
  • 敬体でもOK
  • 縦書きでもOK
  • 横書きでもOK

すべて正解です。


3.2020年改正民法で明文化された「契約自由の原則」

契約自由の原則とは、簡単に言えば、

契約は、当事者の自由な意思に委ねられるべきもの
方式や形式についても、原則として自由である

という考え方です。

実際、改正民法では次のように明文化されています。

(契約の締結及び内容の自由)
第五百二十一条 何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。
2 契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。

(契約の成立と方式)
第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。


4.「自由すぎて迷う」問題

ただし、ここで多くの方がこう思われます。

「どれでもいいと言われると、逆に困る…」

実務ではまさにこの状態に陥りがちです。

  • 雛形は全部「だ・である調」
  • 昔から縦書きでやってきた
  • 相手がどう思うか分からない

結果として、
「とりあえず前例踏襲」になってしまうケースが少なくありません。


5.実務的な落としどころ|おすすめは「敬体×横書き」

ここからは、法律論ではなく、
実務視点でのおすすめです。

■ 文体:敬体(です・ます)がおすすめ

ビジネス契約書に限って言えば、
私は 敬体(です・ます) をおすすめしています。

理由はシンプルです。

  • 契約書は「法的文書」であると同時に
    「お客様に提出するビジネス文書」でもある
  • 会社案内・見積書・提案書は、すべて敬体
  • いちばんお金周りのことが書いてある書類が契約書

である以上、
文体を揃えた方が読み手に優しいからです。

実際、契約締結時に
条文を読み合わせる場面でも、

「契約書なので少し固い表現ですが…」

と前置きせずに済むため、
説明が非常にスムーズになります。

■ 書式:横書きがスタンダード

現在の実務では、
契約書のほとんどが横書きです。

  • 金額や日付、算用数字が扱いやすい
  • アルファベットやURLをそのまま記載できる
  • 電子契約・PDFとの相性が良い

縦書きには「日本語としての美しさ」という長所はありますが、
特段の理由がなければ、横書きで問題ありません。


6.まとめ|「正しさ」より「読み手視点」を優先する

契約書の文体や書式について、

  • 法律的な決まりはない
  • 自由に選んでよい
  • だからこそ「誰のための契約書か」を考える

この視点が何より重要です。

契約書は、
読むための書類であり、守るためのルールです。

形式に縛られるよりも、
相手が理解しやすく、納得して署名できるか。

その一点を軸に、
文体や書式を選んでいただければと思います。


【音声解説】

本記事の内容は、
音声配信『契約書に強くなる!ラジオ』でも解説しています。
▽ 音声はこちら(stand.fm)


【執筆者】

ビジネス法務コーディネーター®/行政書士 大森 靖之
現場で実際に使える判断基準を前提に、契約実務を整理しています。


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「この場合はどう考える?」「ここが気になる」
といったご質問がありましたら、お気軽にお寄せください。
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また、契約書の作成・見直し、契約実務の整理、
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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