~マメな入金確認が第一歩
ビジネス法務コーディネーター®大森靖之です。
日頃は、ビジネス契約書専門(特にIT系に強い)の行政書士として、中小・ベンチャー企業様の成長発展のお手伝いをしております。
1.はじめに
今回は、先日、講師をつとめたセミナーで、受講生さんから
「以前になかなか入金してくれないお客様がいて、結局払ってもらえないことがあった。契約書を取り交わしていなかった。脇が甘かった。今後はそういうことが内容に契約書を作成しておきたい」
というご質問?ご相談?があったことから、このことについてまとめておきたいと思います。
2.支払期限の明確化と即座の連絡
実際、上述のような切り口から契約書作成のご相談をいただくことがあります。
その際、
「請求書に支払期限を書いておきましたか?」
「(支払期限を書いていた場合には)期限を過ぎて支払われていないことを確認したら即座に連絡しましたか?」
と確認すると、「いや、その時は…」となるケースが結構多いのです。
「支払期限の明確化」
「支払が遅れた場合には即座の催促」
基本的なことながら、とりわけ、
・起業したばかりの方
・取引上の力関係が相手の方が上
・相手の担当者とコミュニケーションが上手くいっていない
ケースでは、やりづらい…お恥ずかしながら私自身、いずれも経験していることですので、お気持ちはよく分かります。
支払義務のある相手の気持ちになれば「支払が遅れる」というのは、
①単に忘れている
②お金がない
のどちらか。
②を想定しがちなのですが、①の「単に忘れている」あるいは、
・請求書が(担当者に)届いてない
・請求書を無くしてしまった
こういうケースも多いのです。
普通郵便で請求書を送付すると、近ごろは土曜日の配達が休止になっていたり、普通郵便が届く日数が遅くなっている関係で、支払までの期日が短いケースでは、取引相手にご迷惑をかけてしまうこともあるので、当初から速達郵便で投函するなど配慮が必要なこともあります。
このあたりの郵便事情の変化については、以下の郵便局のホームページもご参照ください。
https://www.post.japanpost.jp/2021revision/
3.深刻なケースでは
ともかく、支払が1日でも遅れたら、すぐに連絡をとること。上記のように「忘れてました!」で済む話が半分。あっさりと解決して仕舞うケースも多いのです。
残りの半分は「②お金がない」という深刻なケース。
私自身の11年の企業の法務部での債権回収の経験と、行政書士として中小・ベンチャー企業様のご支援をさせていただいた経験からすると、
「即座に連絡してくるところ」わかりやすく言い換えれば「督促にうるさいところ」から、支払をしていく傾向にあります。
誰しも督促・催促されるのは嫌ですから、支払う側にとっては、うるさいところから支払って、督促等からは早く解放されたいですよね。。。
即座に督促をして、早める相手の出方をうかがってみれば、取り得る手段(法的な手段を含めて)の選択肢は広がりますので、いずれにせよ、日頃からマメに入金を確認し、ちょっとおかしな兆候が見えてきたら、取引相手とのコミュニケーションをマメに行うこと。
これが重要です。
4.さいごに
契約書は単なる紙切れです。
契約書を取り交わしたからといって、期日までに自動的に代金が振り込まれるわけではありません。
「入金確認をマメに行う」などの、日頃からの行動、ソフト面の強化もあわせて行うことが、契約書をビジネス上の武器として有効に機能させるための最良の方法と考えております。
「契約書を作ったは良いけど有効に機能させられていない」
「契約書の取り交わしが商談クロージング時の単なるセレモニー(儀式)となってしまっている」
こういったケースではご相談いただければ、改善案等を提示できます。右記連絡先までぜひご連絡ください。
5.音声解説
stand.fm「契約書に強くなる!ラジオ」では上記についての音声解説をしております。
文字だけでは表せない微妙なニュアンスを気取らずにお伝えできるのが音声配信の魅力です。
「ながら視聴」でも知識を得ていただけるようにお話ししておりますので、一度お聴きいただければ幸いです。
最後まで、お読みくださりありがとうございました。
この記事へのコメントはありません。