ビジネス法務

【契約書のトリセツ】「読む力」を身につけることが、最大のリスク対策

ビジネス契約書専門の行政書士(特にIT&クリエイター系の契約書に強い)
ビジネス法務コーディネーター®の大森靖之です。

目次

本シリーズ「契約書のトリセツ」では、
契約書にまつわる基本的な知識や実務上の注意点を、
初心者の方にもやさしく、わかりやすく解説しています。
毎回ひとつのテーマを取り上げ、現場で役立つ視点をお届けします。


1. なぜ契約書は、ここまで難しく感じるのか?

契約書について、こんな声をよく耳にします。

  • 読むのがとにかく面倒
  • 最後まで目を通せていない
  • 有名企業の契約書だから大丈夫だと思った

中小・ベンチャー企業の経営者や実務担当者の方と接していると、
こうした感覚は決して珍しいものではありません。

では、なぜ契約書は
ここまで「難しいもの」と感じられてしまうのでしょうか。


2. 契約書は「日本語で書かれた外国語」

結論から言うと、
契約書は日本語で書かれた外国語のようなものだからです。

契約書は本来、
目の前で行われている取引(ビジネス)を
言葉に置き換えたものです。

ところが、

  • 正確性を期すため
  • 解釈のズレを防ぐため

あえて、日常会話では使わない
「法律用語チックな言葉」
「独特な文章構造」
が使われています。

その結果、
内容はビジネスの話なのに、
読んでいる感覚だけが極端に難しくなるのです。


3. 法律を学んでいても、すぐには読めない

私自身、大学は法学部を卒業しています。
それでも、契約書を正確に読めるようになるまでには、
相当な時間がかかりました。

法務部時代は、

  • 先輩に一つひとつ確認し
  • 実際の取引と照らし合わせ
  • 失敗と修正を繰り返す

そうした積み重ねの中で、
ようやく「読める感覚」が身についてきました。

つまり、

契約書が読めないのは、能力の問題ではありません。
経験と“読み方”を知らないだけです。


4. 契約書は「単語」と「文法」でできている

契約書を読む力は、英語学習とよく似ています。

ポイントは、次の2つだけです。

  • 単語
    → 法律用語チックな言葉の意味
  • 文法
    → 契約書特有の言い回しや構造

国内取引であれば、契約書も日本語です。
英語ほどのハードルはありません。

「ちょっとしたコツ」を知るだけで、
驚くほど読みやすくなります。


5. 読めないまま契約すると、何が起きるのか

実務の現場では、こんなケースが後を絶ちません。

  • 使えないサービスを解約しようとしたら
    高額な違約金条項があった
  • 新規取引先を開拓しようとしたら
    独占契約で縛られていた

どちらも原因は単純で、
契約書をよく読んでいなかった、それだけです。

さらに危険なのが、

「有名な会社の契約書だから、きちんとしているだろう」

という先入観です。

契約書は基本的に、

  • 収益確定のポイントを明確にする
  • 一度入金された代金は、なるべく返金しない

ために作られています。

作成した側に有利なことしか書かれていない、
そう考えて読むくらいで、
経営上はちょうどよいのです。


6. 契約書は、読めれば「武器」になる

ここ数年、とりわけコロナ禍以降、契約社会は急速に進みました。

  • 大企業だけでなく、中小企業同士でも契約書が当たり前
  • 改正民法の施行により、この流れはさらに加速

これからは、

  • 「読むのが面倒」
  • 「分からないから諦めた」

という姿勢そのものが、
経営リスクになりかねません。

一方で、
契約書を味方につけられれば、
中小・ベンチャー企業にとって大きなアドバンテージになります。


7. セミナーのご案内:契約書を「読める前提」で仕事をするために

ここまでお読みいただき、
「契約書はちょっとしたコツが分かれば読めるようになりそうだ」
「読めないまま進めること自体がリスクになりそうだ」

と感じられた方もいらっしゃるかと思います。

こうした視点や、実務に即した契約書の読み方を、
1日で体系的に整理する研修が、
2026年2月20日(金)に開催されるセミナー
「契約書のポイント研修(応用編)」です。

本研修では、契約書の基本を振り返りつつ、

  • 契約交渉(商談)時の注意点
  • 電子契約と書面契約の違い
  • トラブルに直結しやすい契約書表現
  • 実務で頻出する契約書の落とし穴

といった、現場で役立つ論点を中心に解説します。

取引基本契約書、業務委託契約書、秘密保持契約書(NDA)など、
日常業務で目にする機会の多い契約書を題材に、
「どこをどう読めばよいのか」を整理していきます。

開催概要

  • 開催日:2026年2月20日(金)
  • 時間:9:30~16:30
  • 会場:埼玉県産業振興公社研修室(ソニックシティビル10階)
  • 定員:30名
  • 受講料:会員 9,900円(税込)/一般 14,300円(税込)

契約書は、
避けるものでも、専門家任せにするものでもありません。

読めるようになった瞬間から、
判断とリスク管理のための「実務ツール」になります。

そのきっかけとして、
本研修をご活用いただければ幸いです。

👉【2月20日 埼玉県産業振興公社様セミナーの詳細・お申込みはこちら


【執筆者】

ビジネス法務コーディネーター®/行政書士 大森 靖之
現場で実際に使える判断基準を前提に、契約実務を整理しています。


【ご質問受付中】

「この場合はどう考える?」「ここが気になる」
といったご質問がありましたら、お気軽にお寄せください。
本ブログや音声配信(『契約書に強くなる!ラジオ』)で取り上げます。

また、契約書の作成・見直し、契約実務の整理、
セミナー・講座のご相談(オンライン可)にも対応しています。
上部の「問い合わせフォーム」よりご連絡ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【専門家のトリセツ】良い専門家とは?「紹介する側」「される側」両方を見てきて思うこと前のページ

関連記事

  1. ビジネス法務

    【NDAのトリセツ】商談で提供した情報を守るには?

    秘密保持契約(NDA)は、ビジネスの最初に結ばれるこ…

  2. 契約書

    契約書での「制作」と「製作」

    ビジネス法務コーディネーター®の大森靖之です。ビジネス契約書専門の行…

  3. 契約書

    「他社との提携」と契約書

    ビジネス法務コーディネーター®大森靖之です。日頃は、ビジネス契約書専…

  4. 契約書

    契約書が読みづらい本当の原因とは?【2026年版】

    ※本記事は、実務でのご相談や現場の変化を踏まえ、 2025年…

  5. ビジネス法務

    【NDAのトリセツ】NDAの存続期間は何年が妥当か?

    秘密保持契約(NDA)は、ビジネスの最初に結ばれるこ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


ご連絡先

行政書士大森法務事務所
home@omoripartners.com
048-814-1241
〒330-0062
埼玉県さいたま市浦和区仲町2-5-1-B1
▼契約書類作成
▼セミナー講師依頼
(契約書、ビジネス法務、コンプライアンス)
▼台本作成
(研修動画、ナレーション、ラジオ番組)

stand.fm『契約書に強くなる!ラジオ』【週2回(水・日)更新】
FM川口『ちょいワルMonday200』【毎月第2第4月曜日19:00~生放送】
2026年1月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
PAGE TOP