ビジネス契約書専門の行政書士(特にIT&クリエイター系の契約書に強い)
ビジネス法務コーディネーター®の大森靖之です。
目次
- 0.前回までの整理(このシリーズでやること)
- 1. はじめに
- 2. このシリーズで使う6ステップ
- 3. なぜ最初に「課題」なのか
- 4. 問題・課題・仮説の違い
- 7. 課題として書けば、守秘義務・炎上・業際対策にもなる
- 8. 半径2メートルとは何か
- 9. 半径2メートルの話が記事になる判断基準
- 10. 課題はタイトルになるまで考え込む
- 11. なぜ半径2メートルだと続くのか
- 12. 今回のアウトプット課題
- 13. 次回予告
0.前回までの整理(このシリーズでやること)
このシリーズでは、
「ブログが続かない」「発信が仕事につながらない」と感じている
専門家・士業の皆さんを中心に、日々の仕事を言葉にする必要のある人に向けて、
- なぜ発信が続かないのか
- どこで思考がズレているのか
- どうすれば“仕事と直結する発信”になるのか
を、文章論ではなく思考構造の話として整理していきます。
▼前回の記事はこちら
1. はじめに
ブログや情報発信について、よく聞く悩みがあります。
- 文章がうまく書けない
- 忙しくて時間が取れない
- ネタが思いつかない
ただ、多くのケースを見てきて思うのは、
問題はそこではないことがほとんどだということです。
ブログが続かない理由の多くは、文章力や根性の問題ではありません。
ネタの設定が甘いこと、
もっと言えば
課題設定の解像度が低いことにあります。
この記事では、読まれ、仕事に繋がるブログにしていくための
「ネタとは何か」
「なぜ最初に“課題”から考える必要があるのか」
この点についての私なりの方法論を、整理していきます。
2. このシリーズで使う6ステップ
本シリーズでは、以下の6ステップを共通の思考フレームとして使います。
1.課題(問題提起・問い)
2.結論
3.共感(相手視点)
4.本質(構造・前提・ルール)
5.適用(具体的な当てはめ)
6.提案(次の一手)
今回扱うのは、
この中の①課題です。
いきなり結論やノウハウから入りません。
理由は明確で、
課題が立っていない状態で書き始めると、必ず続かないからです。
3. なぜ最初に「課題」なのか
ブログが続かない人ほど、
「どう書くか」から考えがちです。
- うまく書こう
- 読まれる構成にしよう
- 役に立つことを書こう
しかし、実務で考えてみてください。
仕事でいきなり
結論ありきで考えますか?
ノウハウから入りますか?
多くの場合、
- 何が起きているのか
- どこで詰まっているのか
- 何がズレているのか
という整理から入っているはずです。
つまり、課題を整理するところから始めている。
ブログだけ、なぜか仕事とは別の頭を使ってしまう。
これが、発信が続かなくなる大きな原因です。
4. 問題・課題・仮説の違い
ここで一度、言葉を整理します。
「問題」「課題」「仮説」は似ているようで、役割がまったく違います。
問題とは何か
問題とは、起きている現象です。
- 何度説明しても理解されない
- 契約書を出すと相手が黙る
- 同じ質問が何度も繰り返される
これは事実であり、評価や解釈はまだ入っていません。
多くの方は、
この「問題」をそのまま書こうとします。
しかし、問題を書いただけでは読まれ、仕事に繋がる記事になりません。
5. 課題とは何か
課題とは、ここでは問題を一段抽象化した「問い」とします。
- なぜこの問題が起きているのか
- どこが整理されていないのか
- 何が共有されていないのか
ここまで踏み込んだ状態が「課題」です。
私は、この問いの形になった状態を6ステップの①課題と呼んでいます。
6. 仮説とは何か
仮説とは、
課題に対する暫定的な答えです。
重要なのは、
正解である必要はないという点です。
- 現時点の理解として
- 今の前提に立てば
- こう考えるのが筋が通る
この程度で十分です。
ブログが続かない方の多くは、
課題を飛ばしていきなり仮説や結論を書いてしまうように感じます。
これが、
タイトルが弱くなり、
記事が散らかり、
続かなくなる最大の原因です。
7. 課題として書けば、守秘義務・炎上・業際対策にもなる
ここは、特に強調しておきたいポイントです。
課題として書く限り、
守秘義務に反することはありません。
同時に、
炎上や「業際」対策にもなります。
なぜか。
守秘義務や炎上・業際のリスクが高いのは、
次のような書き方です。
- 個別案件の事実を書く
- 特定の人物・会社を想起させる
- 評価や断定を強く入れる
- 他の専門家の業務範囲について知ったかぶりで書いてしまう
これは、
「問題」や「事実」を
そのまま書いている状態です。
一方で、課題として書く場合、
- 個別案件は出てこない
- 実名・日時・金額は不要
- 書いているのは構造やズレ
つまり、
「A社で起きた話」ではなく、
「なぜこういう場面で誤解が起きやすいのか」
という書き方になります。
これは、
守秘義務に触れようがありません。
また、
炎上・業際の多くは
「事実+断定+評価」のセットで起きます。
課題として書くというのは、問いの形で止めるということ。
それ自体が、非常に強いリスク管理になります。
8. 半径2メートルとは何か
ここで言う「半径2メートル」とは、
「無難な話題をしよう」
「自分が傷つかない話題にしよう」
という意味ではありません。
専門家・士業であれば、
- 顧客から実際に受けた質問
- 説明が噛み合わなかった場面
- 顧客のために調べることになったこと
- 業務のための研修やセミナーで引っかかったポイント
こうした、
仕事のすぐそばにある出来事を指します。
多くの人は、
ネタを外に探しに行きます。
- 最新情報
- トレンド
- バズっている話
しかし、それは続きません。
仕事をしていれば、
半径2メートルには毎日、自然にブログのネタが発生しています。
9. 半径2メートルの話が記事になる判断基準
では、半径2メートルの話なら何でもブログ記事になるのか。
答えはNOです。
私が使っている判断基準は、たった一つ。
「タイトルにできるか」
私は、半径2メートルの事象を見て、
「これ、このままブログタイトルにできるだろうか」
と自分に問いかけます。
ここで詰まるなら、まだ解像度が足りていません。
10. 課題はタイトルになるまで考え込む
私は、
6ステップの最初の「課題」を、
そのままタイトルにできるレベルまで考え込みます。
なぜなら、
タイトルは
- 読者にとっての入口
- 書き手にとっての思考のハンドル
だからです。
課題がタイトルになる時点で、
- 問題は整理され
- 仮説を置く準備ができ
- 記事の8割は設計済み
これは、
実務で課題を整理する感覚とまったく同じです。
11. なぜ半径2メートルだと続くのか
ブログが続かない理由の多くは、
文章力や根性ではありません。
課題設定が甘いことにあります。
そして、その解決策はシンプルです。
仕事としてやっている
「課題解決」をそのままブログ記事にする
半径2メートル以内の出来事を拾い、
課題として、タイトルにできるかまで考え込む。
これができるようになると、
- ネタ切れしない
- 実務とズレない
- 守秘義務・炎上・業際リスクが下がる
- 結果的にSEOにも強くなる
ブログは、単なる発信ではなく、
思考と仕事をつなぐ道具になります。
12. 今回のアウトプット課題
最後に、今回のアウトプット課題です。
【アウトプット課題】
1.最近感じた「違和感」を3つ書き出してください
2.それぞれを、1文の「課題(仮説)」にしてみてください
正解はありません。
当たっている必要もありません。
「考え切ること」自体が、このトレーニングの目的です。
13. 次回予告
次回は、第2回: 結論。
立てた課題に対して、どのように結論や仮説を置くか
その考え方を整理していきます。
いきなり答えを書くのではなく、
「どう考えるか」を言語化する回です。
まずは、
ネタは探すものではなく、
半径2メートルに溢れている
この感覚だけ、持ち帰っていただければ十分です。

【音声解説】
本記事の内容は、
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▽ 音声はこちら(stand.fm)
【執筆者】
ビジネス法務コーディネーター®/行政書士 大森 靖之
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