情報発信術

【ブログ術】第3回:なぜ、正しい意見なのに 「上から目線」に見えてしまうのか

ビジネス契約書専門の行政書士(特にIT&クリエイター系の契約書に強い)
ビジネス法務コーディネーター®の大森靖之です。

目次


0. 前回までの整理(第2回の振り返り)

このシリーズでは、
「ブログが続かない」「発信が仕事につながらない」と感じている
専門家・士業を中心に、
日々の仕事をどう言葉にしていくかをテーマに整理しています。

このシリーズでは、
ずっと同じことを言い続けています。

それは、

文章が下手だから伝わらないわけではない
知識が足りないから読まれないわけでもない

ということです。

前回(第2回)では、
「スタンス(意見表明)を明確にしないと、そもそも何も伝わらない」
という話をしました。

今回は、その続きです。

スタンスを明確にした。
ちゃんと「私はこう考える」と書いた。

……なのに、

  • なんだか偉そうに見える
  • 距離を感じる
  • 反応が鈍くなる

なぜ、こんなことが起きるのか。

今日のテーマは、そこです。


1. 「正しいことを書いているのに読まれない」違和感

まず、はっきりさせておきます。

この問題は、
真面目に書いている人ほど直面します。

  • 専門家として間違ったことは書きたくない
  • 誤解を与えないよう、丁寧に説明したい
  • 論理的に、筋道を立てて書いている

それなのに、

  • 最後まで読まれない
  • コメントも反応もない
  • 「なんか近寄りがたい」と言われる

このズレ、身に覚えがあるのではないでしょうか?
(いかんせん、私自身がそうでした)


2. 原因は「説明が下手」ではない

多くの方々は、
ここでこう考えます。

「もっと分かりやすく書こう」
「言い回しを柔らかくしよう」
「表現を工夫しよう」

でも、違います。

問題は 表現 ではなく、順番 です。


3. 前回の復習:あえて“危ない状態”を作った理由

前回のアウトプット課題、覚えていますか?

  • 最近感じた違和感を書く
  • それを
     「〜なのではないか?」
     という一文の意見表明にする

理由も説明も求めませんでした。

その結果、多くの方がこう感じたはずです。

「これ、いきなり出したら偉そうじゃない?」
「ちょっと強すぎない?」

──その感覚、完全に正解です。

なぜなら、

意見表明(結論)は、単体で置くと必ず“強く”見える

からです。


4. 「偉そう」に聞こえる正体は“ジャッジ感”

ここで重要なのは、
偉そうに見える原因は「意見」ではない
という点です。

原因は、

意見表明 → いきなり説明

という直結構造。

「私はこう考える。なぜならば……」

この流れ、
ビジネスでは正解です。

でもブログでは、
読者の頭の中でこう変換されます。

  • あ、評価された
  • あ、判断された
  • あ、この人はもう答えを持っている

この瞬間に、
文章は「他人の話」になります。


5. 読者は“説明”を求めていない

ブログを読みに来る方々は、
最初から説明を求めていません。

多くの場合、

  • なんとなくモヤっとしている
  • 言語化できていない違和感がある
  • 自分だけなのか確かめたい

この状態です。

そこに、

「結論です。理由はこうです。」

と来ると、
一気に距離が生まれます。


6. 欠けているのは「共感」という工程

ここで、
6ステップ構成を思い出してください。

  1. 課題(問い)
  2. 意見表明(結論)
  3. 共感(あるある!わかります!!)
  4. 本質(構造・ルール)
  5. 適用
  6. 提案

読まれない文章は、
ほぼ例外なく 「3.共感」が抜けています

私自身、
過去にアメブロから WordPress へ記事をリライトしてきた中で、
はっきり気づいたことがあります。

10年以上前に書いた記事を、今の時代に合わせて書き直していく中で、
よく読まれている記事には、ある共通点がありました。

それが、今回のステップで言う「3.共感」 です。

逆に言えば、
読まれない記事は、例外なく「偉そう」でした。

なぜそうなるのか。

多くの人は、
「意見表明をすること=上から目線になること」
だと思いがちですが、実は違います。

問題は、
意見表明のあと、
いきなり「説明(裏付け)」に入ってしまうことです。

「私はこう思う。なぜならば……」

この話し方自体は、
ビジネスコミュニケーションとしては正しい。

上司やお客さんに説明を求められた場面では、むしろ適切です。

しかし、ブログの読者は違います。

ブログを読んでいる時点では、
読者はまだ、その課題に対する理解が浅い状態です。

そこでいきなり「なぜならば」と理屈を並べられると、
読者は置いてけぼりになります。

そして、無意識のうちに
「ジャッジされた」「評価された」
と感じてしまう。

その瞬間に、
読者は離れていくのです。

だからこそ、
上から目線に見られないためには、
結論と説明の間に「共感・寄り添い」のブロックを挟むことが、
極めて重要になります。

一度、
相手の立場を引き受けてあげる。

たとえば、

  • 「そのモヤモヤ、よくわかります」
  • 「そう感じるのは自然なことですよね」
  • 「実は私も、昔はそう思っていました(失敗しました)」

こうして一度相手に寄り添うことで、
読者は
「この人は、私の前提をわかってくれている」
と安心します。

そうすると、
その後の専門的な「本質論」も、
自分の話として落とし込んで読んでくれるようになります。

「共感」は、結論を弱めるためのものではありません。
結論を 「相手のもの」に変換するためのプロセスなのです。


7. 共感は“迎合”ではない

ここ、誤解されやすい。

共感というと、

  • 主張を弱める
  • 角を取る
  • 言い切らない

と思われがちですが、違います。

共感とは、

「その課題や前提、分かってますよ」と示すこと

です。

  • そう感じるのは自然
  • その背景も想像できる
  • 自分も通ってきた

これを一度挟む。


8. 共感を挟むと何が起きるか

共感を挟むと、読者の頭の中でスイッチが入ります。

「あ、この人は
私の立ち位置を分かってくれた上で書いてくれている」

その状態で初めて、
専門家の話が“聞ける状態” になります。


9. 共感は結論を弱めない。むしろ強くする

これは、
実感として何度も確認してきたことです。

共感を挟むと、

  • 難しい話でも読まれる
  • 法律や構造の話でも離脱しない
  • 「ちゃんと考えてくれている」と感じてもらえる

結論は一切変えていません。

変えたのは、
順番だけ です。


10. だから第3回は「共感」が主役になる

この連載の流れで言うと、

  • 第1回:ネタ・課題の見つけ方
  • 第2回:スタンス(意見表明)
  • 第3回:共感(あるある!わかります!!)

ここが抜けると、
第4回(本質)が生きません。


11. 本日のアウトプット課題

今回の課題は、前回よりも一段深いです。

前回書いた意見表明(結論)の直後に、

👉 共感を3つ、置いてみてください。

「共感」を考える上での問いはこの3つ。

  • なぜ、そう感じる人が多いのか
  • その違和感が生まれる背景は何か
  • 自分自身も迷った経験はないか

まだ説明しない。
まだ正解も言わない。

「あるある!」「わかります!!」で止める。


12. 次回予告:いよいよ本質に入る

次回は、
この共感を“踏み台”にして、

なぜその問題が起きるのか
構造はどこにあるのか

を扱います。

ここからが、
専門家の出番です。


13. まとめ

専門家の話が偉そうに聞こえる理由は、
意見が強いからではありません。

問い→意見表明→共感という「前工程(仕込み)」
を飛ばしているからです。

順番を変えるだけで、伝わり方は劇的に変わります。
これはブログだけに限った話ではなく、
日々のお客様とのやり取りでも応用できる考え方でもあります。


【音声解説】

本記事の内容は、
音声配信『契約書に強くなる!ラジオ』でも解説しています。
▽ 音声はこちら(stand.fm)


【執筆者】

ビジネス法務コーディネーター®/行政書士 大森 靖之
現場で実際に使える判断基準を前提に、契約実務を整理しています。


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「この場合はどう考える?」「ここが気になる」
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また、契約書の作成・見直し、契約実務の整理、
セミナー・講座のご相談(オンライン可)にも対応しています。
上部の「問い合わせフォーム」よりご連絡ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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