書評

『自分の親に読んでほしかった本』フィリッパ・ペリー(日本経済新聞出版)

ビジネス法務コーディネーター®の大森靖之です。
ビジネス契約書専門の行政書士(特にIT&クリエイター系の契約書に強い)のほか、コミュニティFM局の構成作家兼パーソナリティとしての活動もさせていただいております。

自分の親に読んでほしかった本』フィリッパ・ペリー(日本経済新聞出版)

書店でタイトルを見て、ドキッとして、即買いした本。

私自身も小学生の娘の父。
子どもとのコミュニケーションをとる際、ふと「(私の)親の言っていたことと似ているな」と感じることも。
冷静に振り返ってみると、(私の)親から言われて嫌だったことを平気で言っていて、反省することも多々。
そんな中、出会った本。

冒頭の次の一説にさらにドキッ。
「子どもは、親が言うとおりのことをしない。親がするとおりにする」
この決まり文句が『本当だ』という立場から論が展開されていきます。

著者は、イギリスの心理療法士、フィリッパ・ペリー氏。
帯には「テレビ番組やラジオ番組の司会をこなし、BBCラジオやチャンネル4でドキュメンタリー番組を手がける」ともあり、多彩な方のよう。

本書で、とりわけ「なるほど」と感じたのは以下の箇所。

・子どもへの決めつけをやめて、自分の気持ちを明示する
・あなたの決断が事実にもとづいているようなふりをしない。実際にはあなたの感情や好みにもとづいているのだから
・親子は敵ではないのだということを忘れない
・支配するより、協力して、意見を出しあう
・誠実さの欠如は断絶を生む。あなたが誠実になることで関係は修復できる
・子どもは自分がされたことをする

自分の親に読んでほしかった本』p.316

とりわけ1項目目「子どもへの決めつけをやめて、自分の気持ちを明示する」
・ウソをついたり
・隠し事をしたり
・オブラートに包んだモノの言い方をしたり
・「世間的にはこうあるべきだ!」等々のべき論で責めたり
・喧嘩越しに一方的に怒ったり

ではなく、自分の『気持ち』を素直に性格に『明示』するところがコミュニケーションのスタート。
そこから『協力関係』を築きつつ、物事を前に進めていくという考え方。

これは、子どもとの関係に限らず、すべての人間関係に応用できそうです。

その他、海外の本ながら、子育てに限らず、人間関係や対人コミュニケーションに悩まれている方のヒントになるようなことが分かりやすく書かれている一冊でした。

上記のほか、『自分の親に読んでほしかった本』フィリッパ・ペリー(日本経済新聞出版)に関するざっくばらんな感想は、音声配信「契約書に強くなるラジオ」でお話ししております。

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