書評

【書評&要約】『小さな習慣』|モチベーションに頼らず行動を続ける習慣術

ビジネス法務コーディネーター®の大森靖之です。
ビジネス契約書専門の行政書士(特にIT&クリエイター系の契約書に強い)のほか、コミュニティFM局の構成作家兼パーソナリティとしての活動もさせていただいております。

📚 書籍情報
書名:『小さな習慣
著者:スティーヴン・ガイズ
出版社:ダイヤモンド社
発売:2017年

新年度に入りました。
「目標はあるけど、なかなか続かない」
「やる気が湧くまで始められない」
そんな悩みを抱えている方に、ぜひ読んでほしいのがこの本です。

今回ご紹介するのは、スティーヴン・ガイズ著『小さな習慣』(ダイヤモンド社)。

この本の主張は、とにかくシンプル。

「目標は、ばかばかしいくらい小さくしろ!」

本書が伝えているのは、「大きな目標を立てるな」「意志ややる気に頼るな」ということ。
調査や脳科学の知見に基づいた裏付けがあり、読んでいて非常に納得感があります。

以下、ポイントを整理します。

●行動が伴わない目標は、意味がない

  • どれだけ素晴らしい目標も、行動しなければ意味がない
  • 人はしばしば、自分の「自己管理能力」を過大評価してしまう
  • 結果、「計画倒れ」に終わってしまうことが多い

●やる気(モチベーション)は信用できない

  • モチベーションは感情に左右されるため、日によって波がある
  • 「やる気が出たら始めよう」は永遠にスタートできない思考
  • 頼るべきは「意志」ではなく、「仕組み」や「習慣」

この本は、脳科学的なアプローチからも「小さな習慣」の有効性を解説しています。

●脳には「繰り返しパターンを自動化する仕組み」がある

  • 大脳基底核:日々のルーティンを無意識レベルで処理する部分
    → 歯磨き・車の運転・着替えなどはこの領域が担っている
  • 前頭前野:論理的な思考・長期的な判断を担う脳の司令塔
    → ここを使うと脳は疲れる。エネルギーが必要

結論としては、「前頭前野で頑張る」のではなく、「大脳基底核に染み込ませる」ことが習慣化には必要ということです。

私自身の経験談として雑談などでよく話すのが、「歯磨き理論」

「毎日歯磨きしてますよね?やる気がなくても、モチベーションゼロでも、してますよね?」という問いかけに、多くの人がハッとします。

ポイントはこうです。

  • 歯磨きは「やる」と決めているのではなく、「やることになっている」
  • だから、やらないという選択肢がそもそもない
  • やる場所・やる時間・やり方が全て固定されていて、習慣化されている

つまり、「やる気に頼らなくてもできる仕組み=習慣」があれば、どんな行動も自動化できるというわけです。

著者スティーヴン・ガイズ自身が実践していたのが、1日1回だけの腕立て伏せ。

「それだけで意味あるの?」と思うかもしれませんが、やってみると分かります。

  • やるハードルが極端に低いため、失敗しない
  • やり始めると、自然と「もうちょっとやろうかな」という気になる
  • 続けることで「習慣」として脳に刷り込まれていく

最初から「毎日30分運動しよう」と気負うより、「まずは腕立て1回」を継続したほうが、結果的に継続できるというわけです。

小さな習慣がもたらす変化は、じわじわと、でも確実に大きくなっていきます。

  • 筋トレなら:1日1回でもやると、体が少しずつ変わる
  • 読書なら:1日1ページでも読むと、1年後には本棚1段分
  • ブログなら:1日1行でも書けば、毎日投稿の習慣ができる

重要なのは、「とにかく続けられるレベルで始めること」

私自身、雑談の中でよくこう言います。

「三日坊主になっちゃうんです…」という人は、目標がデカすぎなんですよ。

  • 続かないのは、意志が弱いからじゃない
  • モチベーションが足りないからでもない
  • ただ、設計が大きすぎるだけ

「1日1分」「1回だけ」「1行だけ」から始めて、それを「毎日やる」ことで習慣になる。
この考え方が身につけば、自己嫌悪とも無縁になります。

大げさな話ではなく、この本の内容は一度染み込めば一生使えるスキルです。

  • 新しいことを始めたいけど、動けない
  • 続かない自分が嫌になる
  • やる気がある日とない日でムラがある

そんな人にこそ、ぜひ読んでほしい一冊です。

本書について、私が出演しているラジオ番組(FM KawagichiちょいワルMonday)でも紹介させていただきました!

▽音声をお聴きになるには、以下をクリックください(音声配信アプリstand.fmへ)。

最後まで、お読みくださりありがとうございました!

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