ビジネス法務

親しい間柄でも契約書は必要?──若手ビジネスパーソンにもサクッとわかるやさしい契約書の大切さ

ビジネス契約書専門の行政書士(特にIT&クリエイター系の契約書に強い)
ビジネス法務コーディネーター®の大森靖之です。

今回は、「契約書って何で取り交わす必要があるのだろう」という若手ビジネスパーソンの皆さまの素朴な疑問に、「親しい相手でも契約書をちゃんと作ろう」という切り口から、できるだけやさしくお届けします。

ここ5年くらいで、経営者の方々の考え方が急速に変わってきました。

昔は、

「長い付き合いだから、契約書なんていらないよね」 と言う人が多かったのですが、

今は、

「仲がいいからこそ、ちゃんと契約書を作ろう」 という相談がとても増えています。

これ、とても大事な変化なのです!

契約書は、 「お互いの約束を書いた公式な議事録」みたいなものです。

たとえば、

【自分の会社から見たとき】

  • 相手がやること(約束)
    • 商品をちゃんと届けてもらう
  • 自分たちがしてもらうこと(ごほうび)
    • きちんとお金をもらう

【相手から見たとき】

  • 自分たちがやること(約束)
    • お金をちゃんと払う
  • 相手がしてもらうこと(ごほうび)
    • 商品をもらう

こんなふうに、 お互いの「やること」と「してもらうこと」を、紙にまとめたもの だと思ってください!

これをきちんとまとめておかないと、 「言った・言わない」でモメる原因になります。

前は、契約って、 「いかに自分たちが得するか」 「いかに相手に不利な条件を飲ませるか」 みたいな勝負の世界でした。

でも、今は違います。

特に、長く付き合いたい相手に対しては、 「フェアな契約条件にする」ことが大切になっています。

なぜかというと、

  • あとで事情が変わったときにモメにくい
  • お互いの期待がズレない からです。

つまり、契約書は「疑うためのもの」ではなく、 「信頼を守るためのもの」なのです。

1. 仲がよくても、書面に残そう

どんなに仲良しでも、 「口約束」だけではトラブルの元です。

  • きちんと契約書を作ることが、お互いのため
  • 「信頼しているから書面にする」という考え方

まずはこれを覚えておいてください。

2. 契約書=リスクヘッジだけじゃない

契約書って、「トラブル防止」のためだけじゃありません。

  • お互いの考えをきちんと共有できる
  • 期待していることをハッキリできる

「信頼を目に見える形にするもの」でもあるのです。

3. 相手にあわせた伝え方も大切

「契約書出してください」と言うと、 ちょっとびっくりされることもあります。

そんなときは、

「今後もいい関係を続けるために、念のためにまとめましょう」 みたいに、やわらかく伝えることも大事です。

相手に寄り添った提案ができると、信頼感もアップしますよ!

ある中小ベンチャー企業の経営者の方の話です。

大学時代の親友が立ち上げた会社と、取引することになりました。 最初は、

「そんな堅苦しいことしなくてもいいよね」 という雰囲気だったそうですが、

顧問税理士の先生にアドバイスされて、きちんと契約書を作りました。

数年後、その親友の会社に外部の出資者が入り、 会社のルールがガラッと変わりました。

でも、契約書があったおかげで、

  • 一方的に条件を変えられることなく
  • きちんと元の約束通りの取引を続けられた

そうです。本人も、

「あのとき契約しておいて本当によかった!」 と、心から思ったそうです。

社会に出たばかりだと、 「契約書って難しそう」「堅苦しい」 と思うかもしれません。

でも、契約書は、

  • 信頼を守るため
  • 未来の自分たちを守るため にとても大事なものです。

これから営業の現場に出たら、 ぜひ、「親しき仲にも契約書あり」 を合言葉にしてみてくださいね!

足下を固め、自分自身を守り、そして、「成し遂げたいこと」や「夢」の実現に近づけるための契約知識について、このブログや、音声配信「契約書に強くなる!ラジオ」でお伝えしていきますので、今後ともご期待、ご支援いただければ幸いです。

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最後まで、お読みくださりありがとうございました。

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